金剛寺

金剛寺

(第16話) 多ければ即すなわち迷まどう

これは『老子』の言葉です。

「少なければ即ち得、多ければ即ち惑う」

わかり易く言えば、持ち物(所有物)の少ない人は、得る喜び楽しみを持つが、多くの物を持っていると新しい物を得ても特別な喜びを観じない。人間の欲は限りがなく膨張するものです。

知足(たることをしる)の人は貧しいといえども、しかも富めり。

『遺教経』

良寛さんの『炊くほどに風がもてくる落葉かな』
自分一人のためにわずかな米を炊くには、吹き寄せた枯葉で充分であるとの意。